『那須の自然や人が好き。そんな気持ちを表現したい…』
米倉万美/イラストレーター


米倉万美

 那須生まれの那須育ち。イラストレーターの米倉万美さんは、医師であり、また、『本日も休診』や『医者ともあろうものが』などの著書で知られる作家、見川鯛山氏の娘さんです。
 この秋、お父さまの書いたお話に絵をつけて『山医者の毒にもクスリにもならない話』という絵本を出版するお話など、伺いました。

 「父の文章は、娘の私が読んでも自然描写がすごくいいんです。たとえば、那須の冬の夜の激しい様子など季節や時間の表現に、すごい観察力を感じます。そしてユーモアたっぷり。父の書いたものを読むと、頭の中に話の場面が鮮明に浮かんで来ます。その浮かんで来たものをつかまえて描くんです。
 これまで、父の文章に絵を描くというと多くは自然描写だったのですが、今回、話に登場するいろんな人物を表現できて、とても楽しかった。過去に、父が書いたたくさんの本の中から10編の話を選びました。内容は、父の周りで起こった出来事が元になっていますから、九十何歳かで大往生した元気なおばあちゃんの話、婆っぱ“も本当にあった事です。他にも那須の懐かしい話ばかりで、大人のメルヘンっていう感じに仕上がりました」

 「私にとって描くことは、自分の気持ちや思っていることを表現する方法です。那須の自然の風景、たとえば、冬の夕暮れの空を眺めていると、一刻一刻違った表情になって、なんてキレイなんだろうって思う。そうすると、すごく描きたくなります。キレイ…、って思う気持ちを表現したいって。
 今回の絵本の仕事を通して、これからは自然だけでなく、人の思いまで描けるようになれたらいいなあって考えるようになりました」

 「最近、ハマっている題材は軽トラック。軽トラって、那須の風景に溶け込んでいると思いませんか。畑や田んぼ、町の中、どこに行ってもあるでしょう。昔は牛や馬がやっていた仕事を今は軽トラがやっている。いろんな職業の人が軽トラを使ってる。
 その軽トラの荷台に乗ってるものは季節によって違います。背中に背負っているものが違うというか…。だから道ばたに留まっていると必ず荷台をのぞいちゃいます。何を乗せているんだろう、持ち主はどんな人かなって…。
”軽トラ“っていうひとつのキャラクター、生きものを見るような感じ。前から見ても、後ろから見ても、横から見ても絵になる題材です。軽トラを通して季節を表現しています。
 そして、軽トラの側には、いつも”ポチ“っていう茶色い犬がいます。これは、今の私の那須のイメージ。『那須高原の軽トラとポチ』っていう絵はがきも作ってるんですよ」

 那須のポスターやパンフレットなどで米倉さんのイラストに触れたことのある人も多いのでは。温もりのある絵は、那須の風景や人々の心を映しているようですね。来年には、各地で絵本の原画展も行う予定だそうです。
 今回、ひなたの読者のために米倉さんと出版社より、絵本『山医者の毒にもクスリにもならない話』をプレゼントしていただきました。米倉万美さんと見川鯛山氏のサイン入りで、抽選で5名様に差し上げます。詳しくは、7ページをご覧ください。

米倉作品


※このインタビュー記事は、2003年8月5日発行の「那須野をむすぶコミュニケーションペーパーひなた」に掲載されたものです。
※絵本プレゼントは終了しました。

 


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