『花を上手に育てるには、まず土を育てることが大切です』
君島美紀雄/アトリエ ミキ


 馬場馬術の元競技馬の堆肥を使って花やハーブを育て販売しているアトリエ ミキの君島さん。
無農薬・有機栽培、自然のものにこだわって、元気に花を咲かせる秘密に迫りました。

― 馬の堆肥を使っているそうですが、植物を育てるために馬も飼っているのですか?

 いや、それは逆です。植物を馬の堆肥で育てようと思ったのではなく、馬がいたから植物をやり始めたというのが正しいです。
 もともと妻が大の馬好きで、馬を飼う環境を求めてここに住み馬場馬術の学校をやっていたのですが、なかなか馬をこき使えなくて…ハハハ(笑)。それで馬の堆肥があるんだから植物でも育ててみようかと。今は花とハーブの生産販売、そして造園の仕事をして今年5周年を迎えます。

― 自然にこだわっていると聞きましたが、こちらの苗が丈夫だと評判なのはそのためでしょうか?

 ウチではヨーロッパから花やハーブの種を取り寄せ無農薬・有機栽培で苗に育てています。種を蒔くためにまず堆肥をたっぷりまぜて土を作ります。堆肥の元である馬に与える餌や敷きワラにも気を使いますね。また、有機肥料もオリジナルです。近くの雑木林から自然の菌を採取してきて培養し、大豆かす・カニ殻・魚介類などの有機物を食べさせたもので、堆肥にブレンドしたり、植えてから植物に与えるための肥料など数種類あります。菌が有機物を食べる時に『ホウッ』と吐息を吐くんですが、その吐息が植物にとって大事なんですね。植物が菌の吐いた吐息を『スッ』と吸って成長する。豊かな自然の流れが生物をたおやかに育むのです。
 植物は自然温度で育っています。今年の冬は特に寒かったこともあって苗はガチガチに凍っていましたが、こういった苗の方が庭に植えた時にも丈夫です。風雨にさらして鍛えあげるといった感じでしょうか。

― ガーデニングが趣味という方にアドバイスはありますか?

 花を上手に育てるためには、まず土を育てることです。土さえちゃんとしていれば黙っていても花は育つ。最初に十分手をかけて作った土に苗を植えれば、後は放りっぱなしでいいんです。
 また、虫がつくのも自然の流れですが、ついてから消毒をするのではなく、虫をこさせない成分のエキス(よもぎ・竹・松葉などから抽出したもの)を与えてみてはいかがでしょう。それでもアブラ虫はつきますが、害虫の卵が百個あったとしたら育つのは十個くらい。それで生態系のバランスがとれているのです。ヨウト虫に葉を食われるようなら雑草を抜き過ぎているのかもしれません。ヨウト虫はハコベなどが大好きですから、雑草を抜いてしまうのではなく植えた植物より背丈が低くなるように摘み取ってみてください。

― この春おすすめの花は何ですか?

 1000種類以上の花苗がありますが、そうですね、ポピーの仲間で「エンゼルクワイヤー(天使の聖歌隊)」というステキな名前がついたものがあります。軽やかで透明感のある半八重の花びらが特長です。また、「クレピスルブラ」というフランスから来たピンクのタンポポもきれいですよ。3月から地植えできるので、庭でたくさん咲くと圧巻です。

 元競技馬7頭がいる馬舎で、慣れた手付きで蹄(ひづめ)切りをなさっていた君島さん。カントリー調の温室もすべて手作りだそうです。本当は、植物の担当は主に奥様ということでしたが、この日は、やさしく笑う君島さんの目線の先にいらしっゃいました。


※このインタビュー記事は、2001年3月1日発行の「那須野をむすぶタウン情報誌ひなた」に掲載されたものです。

※ひなた本紙で掲載していたアトリエミキさんの連絡先は省きました。アトリエミキに関するお問合せはひなた編集部まで。
 


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